Notelets

誰かのために何かを作る日々の断章。試論。仮説。フィールドノーツ。

安い方のAirPodsが好きだという話

しばらく使っていたAirPods(第2世代)のバッテリーが死んだ。

発表の少し後に買った記憶がある。ということは、もう4年以上使っていることになる。みなさんの声を聞いてみると、そのぐらいが寿命らしい。左だけ、20分ぐらいで♪ポンポロリンみたいな音がして切れる。見ると、ついさっきまで96%となっていたのが唐突に0%になっている。何度リセットをかけても変わらない。

代役を探しながら、改めて、AirPodsはとても手に馴染んでいたというか、体 or 無意識が選んでいたことに思い至った。いい道具だった。なくしてわかるありがたさ、親と健康とAirPods


今、市場ではカナル型が本命なんだろう。耳穴にねじ込むタイプ。無印AirPodsのような、ねじ込まず引っかけるように装着するタイプは本当に数少ない。もちろん電車とかうるさいところでは耳栓が良いのは理解している。しかしそれでも、なぜAirPodsタイプが少ないのか、不思議に思える。

個人的には、AirPodsは、つけていることも忘れている。そのくらい装着感がいい。いいというか、気にならない。しかも、耳をふさがないので、外の音も、自分がしゃべる声も、自然に聞こえる。

カナル型だと、どうしても異物感が拭えない。耳穴に何かを突っ込んでいるわけだから、そりゃそうだ。これまで有線時代にもこのタイプをいろいろ使ってきたわけだから、改めて言うのもおかしな話ではある。が、今、これがとても気になる。

というのも、たぶん、コロナからこっち、静かなところでイヤホンを付けることが増えたからだろう。移動が減り、オンライン会議が増えた。トータルの使用時間も増えた。また、家でもオフィスでも、外の音をシャットアウトするのはあまり気持ちよくない。

結局、付け心地が負担にならず、かつ外の音が自然に聞こえること。それがとても重要になってきている(SONYの穴が空いたやつとか、骨伝導とか、あの手のタイプがちらほら目に付くのも、また外音取り込みの機能を持ったモデルが増えているのも、おそらく同じニーズなのでは)。

 


AirPodsには他にも良い点がある(と言っても、もはやそれが普通になってきている)。

ケースから出す、収めるという動作が電源&接続に直結していること。Bluetoothは接続されているのか切れているのか、直観的にはわからない。「アレ、音が出ない」と思ったら隣の部屋でヘッドホンで鳴っていた、みたいなことがない。つながっていると思って再生したらMac本体から出てちょっと気恥ずかしい、みたいなこともない。TWSというのか、この完全ワイヤレスのイヤホンを発明した人はすごい。もちろんこれはTWS全般の話だけど、AirPodsは接続が素早く、トラブルがないのが素晴らしい。

耳から外せば音楽が止まる、というのもいい。そして付け直せばまた再生が始まる。これは、個人的には「そうあって欲しい」挙動だ。

MaciPhoneで自然に切り替わるのもいい。というかAppleのデバイスで。完全、ではないものの、相当に気にせずに切り替えてくれる。

こちらがしゃべる時、相手にもよく聞こえているようだ。どんな音が届いているかは当人はいっさいわからなないから、安心感みたいなものが重要。

まとめれば、何も意識しなくてOK、自然に、直観的に。何かを不安に思うこともない。そんなことのように思える。

Appleらしい、と言えるのかもしれない。Appleが目指しているモノは、そういうものだと思っている。世はカナル型がメインストリームだけど、無印AirPodsをかたくなにラインナップの中心に据えているのも、なんとなく理解できる。妄想かもしれないけど。

 

そういえば、こんなの↓も書いていた。


お高い方、耳栓タイプのProの方も、ずいぶんいいらしい。中間クラスの耳栓イヤホンはすでに持っているのだけれど、例えば飛行機に何時間も乗ることになった時にでも、Proも買おうかな、などと思っている。が、3年ぐらいでバッテリーがダメになるのだとすれば……、4万円というのは高い気もする。

今のイヤホンの悲しいところは、このバッテリー問題だろうか。今の電子系デバイス全般がそうなのかもしれないけど。有線時代もケーブルが切れるとかあったけど。長く使うことができ、愛機と呼べるものが欲しい。そんな気もする。